当院では大和市立病院と提携することで、安全に日帰り手術を行っております。
おもな疾患としては、内痔核(いぼ痔)、裂肛(きれ痔)、痔ろう(あな痔)、外痔核、脱肛、直腸ポリープ、肛門ポリープ、肛門皮垂、肛門周囲膿瘍、皮下腫瘍、その他(医師にご確認ください)、日帰りで手術が可能です。
専門医による静脈麻酔と、局所麻酔を併用して経験豊富な医師が手術を行うため、術中ほとんど苦痛がなく、安全に手術が受けられます。術後は一定の時間(約1時間程度)、快適なリカバリールームでお休みいただきますのでお帰りの際は、よく寝た後のように、すっきりとした感覚でお帰りいただけます。
痔核の大きさや数によって、日帰りで従来の痔核根治術や、内痔核に対してはALTA(痔核に薬剤を注入し、痔核を消退させる、切らずに治す方法)を行っております。ALTAは専門医のみの施術となっており、神奈川県では当院をはじめ数施設での対応となっております。
また、脱肛に対してもALTAを行っており、良好な成績で加療ができています。
ポリープ切除術を行っており、大きなものでも肛門機能を温存した方法で手術を行っております。
慢性的な裂肛等に関しては、肛門が狭い可能性があります。同部の切除とともに肛門形成術を行うことで再発を予防しています。
複雑痔ろう以外の手術を行っております。術後はセトンチューブを挿入することで、再発を予防しています。
肛門周囲膿瘍では、一刻も早く痛みや苦痛を取り除くために、即日に手術を行う場合があります。
POINT1. 毎日おふろに入りましょう。
POINT2. おしりはいつも清潔にしましょう。
POINT3. 便秘にならないように気をつけましょう。
POINT4. 下痢をしないよう気をつけましょう。
POINT5. 排便のときに、無理にいきまないようにしましょう。
POINT6. おしりを冷やさないよう注意しましょう。
POINT7. 長時間、同じ姿勢を続けないようにしましょう。
POINT8. 長いドライブは避けましょう。
POINT9. アルコール、刺激物は控えめにしましょう。
POINT10. 医師に相談し、正しい診断を受けましょう。
肛門の少し奥には肛門を自然に閉じるための血管に富んだ柔らかい部分があります。肛門への負担が大きくなるとその血管は太くなり、蛇行し、静脈瘤のようになります。それを痔核(いぼ痔)と呼びますが、徐々にうっ血が強くなり出血を起こすようになります。さらに長く放置すると痔核は大きくなり、支持している組織が引き伸ばされて肛門の外に脱出するようになります。これを脱肛と呼んでいます。
痔核には、歯状線より直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。また、内痔核が大きくなって脱出するようになると肛門側の痔核、つまり外痔核を伴って内外痔核という状態になることもあります。
「脱出を伴う内痔核」にジオン注を投与して痔核に流れ込む血液の量を減らし、痔核を堅くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。しかも注射翌日から出血が止まり、数日で痔核が脱出しなくなります。
痔核を切り取る手術と違って、痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」「傷口が痛む」というようなことはなく、日帰り治療が可能となりました。
ジオン注の有効成分は硫酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸です。
硫酸アルミニウムカリウム水和物
出血状況や脱出状況を改善する
タンニン酸
硫酸アルミニウムカリウム水和物の働きを調整する
ジオン注は痛みを感じない内痔核に注射するので痛みはありません。したがって、麻酔は必要ないのですが、肛門鏡を挿入するのに抵抗がある方には肛門を緩めるために麻酔をかけます。麻酔の方法については医師にお尋ねください。ジオン注は四段階注射法とってひとつの痔核に4か所に分けて注射し、薬液を十分に浸透させます。複数の痔核がある場合は同様に行います。注射後は落ち着くまで30分~1時間程度の安静が必要です。
投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り、翌日には出血も止まり、脱出の程度も軽くなります。
↓
腫大していた痔核は次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織も
元の位置に癒着・固定して、脱出がみられなくなります。(1週間~1ヶ月)
排便について
通院について
●他の医療機関で直腸肛門の診察を受けられる場合には、ジオン注治療を受けたことを必ずお伝えください。
治療後は注射した場所が硬くなっていることがあり、他の医療機関で診察を受けられる場合、この症状を誤って悪い病気と診断される可能性があるので、ジオン注治療を受けたことを申告してください。
●普段と違った気になる症状(痛み、出血、排便がしづらい、発熱など)があらわれた場合には、すぐに担当医師の診察を受けてください。
副作用が隠れていることもありますので十分に検査・診察を行い、症状に応じた適切な処置を行います。症状によってお薬(炎症を抑えるための抗生物質や消炎鎮痛剤、あるいは便をやわらかくするための緩下剤)の投与、坐浴、手術を行うことがあります。
ジオン注による治療は痛みが少なく、通院で治せることが特長です。時には痛みを感じる場合もありますが、早く治すためにも以下の点をお守りください。
入浴について
食事について
日常生活について
規則正しい排便習慣を身につけましょう
便通に良い生活を心がけましょう